三浦といえばビーチやマリンスポットなどが有名ですよね?そんな三浦市において、実は関東随一の自然が残る森林「小網代の森」があるのをご存知ですか?
この記事では、首都圏からたった1-2時間で行ける「小さな森の観光地」をご紹介いたします。
1.小網代の森とは
広大な森&貴重な生態系
小網代の森とは、三浦半島の先端、油壷の近くにある非常に広大な森です。その大きさは70ヘクタールで、東京ドーム約15個分というから驚きです。
小網代の森の魅力はその広大な敷地だけでなく、何と言っても「貴重な生態系」にあります。実は、ご公務の合間にハゼの研究をされている天皇陛下が、実地調査のために小網代の森を訪れたこともあるんです。
手つかずの自然に出会えます
森の入り口(引橋)付近から、源流の「浦の川」が森の中を流れ、この川を沿って森林、湿地、干潟、湾までの全てが人の手が入らないまま残されており、アテナガニをはじめとする希少種を含む多くの生き物が多様な生態系を形成しています。
三浦半島の南端に
小網代の森には2,000種以上の生物が生活しており、その数は関東随一。これほど貴重な場所は珍しくいくつものNPO団体や多くの教授たちが、この自然のための保全活動を行った結果、紆余曲折を経て今日私たちが訪れられるようになりました。
そんな場所が、横浜から1時間、東京から1時間半で到着する三浦半島にあるというのだから驚きです。
小網代の森の見どころ!
では、実際に小網代の森に行った場合、どんなところに注目すればよいでしょうか?初めて行く方でも分かりやすいポイントに絞ってお伝えできればと思います。
1.森林の様々な植物
目にも美しい小網代の森の緑は、尾瀬や西東京の森林に負けずとも劣らない素晴らしいものです。初めて立ち入った時の気持ちは、まるで冒険をする子どものようになります。
私は三浦に住んでいて、幼い頃には何回か来たことがありました。ですが大人になってから来てみると「三浦にこんな秘境があったのか!」と住民ながら驚いてしまいました(笑)
青々とした森林や湿地には、大きなシダがあり、まるで熱帯のジャングルに迷い込んだよう。鳥のさえずりや小川のせせらぎを聴きながらの散歩は、心が落ち着くのを感じます。
2.緑を彩る動物たち
魅力は植物だけではありません。絶滅危惧種も含め、2000種以上が生物が生息している小網代の森は、動物にこそ魅力があると言っても過言ではないかもしれません。
春には、おたまじゃくしや蝶々が目立ちます。特に5月頃は、アマガエルがいっぱいいる時期。夕方、帰り際に歩道で耳を澄ましてみると、ゲロゲロというカエルの歌が聴こえてくると思います。
また秋には、トンボなどたくさんの虫がいます。私は動物の専門家ではないので詳しいことは分かりませんが、昨年の秋に訪れた際には、少なくとも3種類のトンボを見つけました!都会で動物と触れ合う機会のない方は、是非見てみてください。
3.絶滅危惧種のカニ達
動物の中でも、注目してもらいたいのが、カニです!この森の中には、たくさんのカニ達が住んでいて、研究家が熱心に足を運ぶほど。
特に見てもらいたいのが、アカテガニやチコガニ。
アカテガニは森の中に住む珍しいカニ。森の各所にある小さな丸穴の住処を見つけてみてください。ひょっこりカニが顔を出してくれるかもしれません!
また夏の大潮の晩には母カニがいっせいに海岸に押し寄せ、お腹に抱えた幼生を海に放す感動的なシーンも見られますよ。
チコガニは、なんといってもダンス。ハサミを上下してメスへの求愛ダンスをする可愛い姿が見られます。アカテガニに比べて、チコガニはなかなか見つかりにくいと思いますが、もし求愛ダンスをしている姿が見れたら、あなたは本当にラッキーですよ!
4.至る所にある写真スポット
これだけ素晴らしい自然を、写真に収めたいと思うのは普通のこと。そして安心してください。小網代の森はインスタ映えします。
ここまでに紹介した写真からも分かる通り、晴れた日の小網代の森は、色鮮やかで気持ちがよく、どこを切り取っても写真映えは保証できます。
個人的にオススメなのが、緑の多い道や湿地。自分が冒険している感ある写真が撮れますよ。
5.5-6月のホタル
小網代の森における最大のイベントが、この時期のホタル観察会です。通常は17時か18時に閉館するところ、この時期だけは18-21時を特別開放!そして貴重な貴重な野生のホタルを目の前で観察することができるのです。
約1,000頭のホタルがやってきて、普段は決して立ち入ることのできない夜の小網代の森を優しい光で照らしてくれます。
このまたとない機会に訪れない理由があるでしょうか?夜は暗く、電灯もないので、懐中中電灯はお忘れなく(詳しくは神奈川県のホームページより)。
小網代の森の注意点!
貴重な自然がある小網代の森は、いくつか注意しなければならないこともあるため、そちらも合わせて解説させていただきたいと思います。
1.動植物の採集禁止
とても珍しい生き物や植物を目の前にして「連れて帰りたい!」と思うことはあるかもしれません。それでも、繰り返した通り、小網代の森は、絶滅危惧種を含む2,000種以上の生物が生息しています。貴重な生態系を壊さないように、持ち帰ることはないようにしましょう。
同様の理由で、動物を連れてくるのも禁止になっています。
2.半袖・半ズボンは避けよう
自然が豊富な小網代の森には、多くの生物が住んでいます。かわいいトンボやホタルだけではなく、マムシ、スズメバチなどの危険な生物もいることは覚えておきましょう。
さらには、蚊なども非常に多く、私のように蚊に刺されやすい人にとっては過酷です。暑い夏でもなるべく軽装は避けて、長袖・長ズボンの着用をオススメします。
3.動きやすい恰好がベター
写真にもある通り、小網代の森にはメインの舗装された遊歩道があります。そのため、比較的軽めのシューズやサンダルでも問題ありません。
ですが、雨が降った後は非常に滑りやすくなってしまいます。さらに、森を抜けた先の、少しぬかるむ潟は、一切舗装されていません。
潟に住む生物たちを観察したり、より近くに海を感じたりするためには、なるべくサンダルなどは避け、運動靴などを履く方が良いと思います。
その他の禁止項目です!
- 喫煙・たき火
- 森の損傷、汚損
- ゴミ捨て
- バイクや自転車での乗り入れ
アクセス
住所は、「〒238-0225 神奈川県三浦市三崎町小網代」となっています。三浦市の中でも三崎口とも三崎港や城ヶ島とも少し離れた場所にあるため、事前によく確認しておいてくださいね!
車
残念ながら近くに駐車場がないため、なるべくバスか徒歩で訪れてもらえればと思います。
バス
京浜急行久里浜線三崎口駅から京急バスの1番のりば「油壺」行きまたは2番のりば「三崎東岡」「三崎港」行きに乗車し、どちらの場合も「引橋」で下車します。その後10分ほど歩くと到着です。
徒歩
徒歩の場合、三崎口駅から国道134号線を三崎港方面に40分くらいです。緩やかな上り坂がありますので、体力に自信のある方や散歩がしたい方にはオススメします。
無料シャトルワゴン
小網代の森の「宮ノ前峠口」(松輪入口の反対側、より三崎港や油壷に近い方)の先から、「京急油壺マリンパーク」および「ホテル京急油壺観潮荘」行きの無料シャトルワゴンが出ています!
運行は土日祝のみなので注意が必要ですが、上手く活用すれば、その他の観光地もセットで訪れることができてオトクです!
詳細情報
- 運行曜日:土日祝
- 運行時間:11:00,11:30,12:00,12:30,13:00(1日5本、30分間隔で発車)
- 運行区間:宮ノ前峠入口さき(白髭神社付近)→ホテル京急油壺観潮荘→京急油壺マリンパーク
- 定員:9名
- 料金:無料
詳細は神奈川県のホームページまで。
施設情報
開園日
4-9月:7:00-18:00
10-3月:7:00-17:00
トイレ
これまではトイレはなく、観光客は苦労していたのですが、小網代湾側の入口(宮ノ前峠入口手前)にトイレができました。
男性・女性用トイレ、バリアフリートイレ、おむつ交換台、などもあり、快適に利用できます。
駐車場
駐車場はないので、バスまたは徒歩で。
近隣情報
飲食店
引橋のバス停から、小網代の森まで歩く間に、カフェ&レストラン「ひげ爺の栖」があります。三崎の美味しいマグロ、金目、地魚などの魚料理に加え、フォンダンショコラやクリームあんみつなどもあり、ランチにもおやつにも利用できるとってもかわいいお店です!
マリンリゾート
小網代の森の宮ノ前峠口から徒歩5分で、リビエラシーボニアマリーナがあります。
私のように船を持っていない方でも、見学したり、乗船体験をしたり、食事をしたりすることができる非日常のリゾート空間です!
水族館
小網代の森から先ほどのシャトルワゴンを使えば、三浦市唯一の水族館である油壷マリンパークに行くことができます。
イルカ、アシカのパフォーマンスやかわいいカワウソ、ペンギンたちなど、きっと楽しめること間違いなしです!
さいごに
いかがでしたか?小網代の森は、本当に宝物のような素晴らしい森です。小さな森の中にたくさんの自然を見ることができます。三浦市にこういった場所があることを、誇りに思っています!
1-2時間程度で散策できるので、是非小網代の森にいらしてみてくださいね。